ドルクス不明種(Dorcus sp.) 考察
こんにちは! ゆうわなです。
11月10日に行われた横浜kuwataフェスティバルで購入してきた謎のクワガタ。
今回はそのクワガタについて自分なりに考察をしてみました。
そもそもsp.って何?
このクワガタの学名はDorcus sp.ですが、そもそもこの「sp.」とはどういう意味なのでしょうか?
簡単にまとめると「sp.」とはspeciesの略で、「属名は分かるけど種小名は分かりませーん」って時に使うものです。
ヘラクレスの場合は学名のDynastes hercules herculesのDynastesが属名、herculesが種小名になるってことですね。
仮にDynastes属の特徴を持った新種のカブトムシが見つかると、Dynastes属であることは分かるけど名前が分からないから「Dynastes sp.」と表記されます。こうすることで「Dynastes属のカブトムシの一種」に分類にされるようになります。
今回のクワガタはDorcus sp.なので「Dorcus属のクワガタムシの一種」つまりDorcus属の何か=Dorcus属の未記載種=新種ということになります。
「本当は既に記載されている種の小型個体でした(・ω <)テヘペロ」
という可能性は否定できませんが、このクワガタが新種認定される可能性もなくはないといった感じです。
基本データ
学名
学名はDorcus sp.
Dorcus属のクワガタの一種であり、まだ種小名が付いていないクワガタということになります。
産地
産地はミャンマー・チン州・ティディム
ミャンマー産やミャンマー・チン州産のクワガタはショップなどでよく見かけますが、ティディムという地名は今回初めて聞きました。
日本でいう「~市」みたいなものだと思いますが、このティディムという地域はクワガタ採集場としてはメジャーなのでしょうか?
体長
体長はオスが42.0mm、メスが20.7mm。
何クワガタかが分かっていないのでこのペアが大きいのか小さいのかは謎ですが、メスの大きさが20mmちょっとしかないことを考えるとオオクワガタやオオヒラタのような大型のクワガタではなく、大型個体でも60mm前後程度ではないかと思っています。
外見
オス
オスの外見はこんな感じ。
ヒラタやコクワに近い見た目をしていますが少しアゴの形状が違います。
うちで飼育しているヒラタクワガタ40mm(右)と並べてみました。
内歯の位置はほぼ同じですが、Dorcus sp.(以下sp)の方は第1内歯の他にも小さいですが第2・第3内歯があるのが確認できます。
また、頭部がザラザラしているのは両者ともに共通していますが、本土ヒラタは前胸背板までザラザラなのに対してspの前胸背板はツルツルしています。
背中から見た様子。
本土ヒラタ(左)の上翅は真っ黒なのに対してspの方は少し赤みがかっており、加えてわずかではありますがスジが入っているのが確認できます。
メス
続いてメス。背中にはっきりとしたスジが見られます。
オスはヒラタやコクワに似た形状をしていましたが、その2種のメスにはこういったスジは見られず、逆にスジが見られるクワガタといえばオオクワガタやスジクワガタなどが挙げられます。
spのメスはヒラタやコクワというよりはどちらかというとオオクワやスジクワに似た特徴を持っていることが分かりますね。
触ったり持ち上げたりするとすぐにこのように脚を縮めて死んだふりをします。
臆病なクワガタなのでしょうか?
メスの脚。
外国産のクワガタなのでこの限りではないと思いますが、「腿節が基部から湾曲し、符節に向かって太くなっていくのがヒラタクワガタ、腿節の太さが一定で、符節に向かって直線的に伸びるのがコクワガタ。」というように国産種のメスを見分ける方法があります。
それを踏まえてこのクワガタの脚を見てみると、太さが一定で腿節が直線的に伸びています。
なのでspがコクワかヒラタのメスのどちらかであると仮定した場合、コクワガタ系統のメスと考えることができますね。
また、オス・メスともにひっくり返して腹部を見てみると金色の毛?のようなものが生えていました。
脚の周りに生えているのならまだ分かりますが、この毛が生えているのは腹部の真ん中なので何の用途があってここに毛が生えているのかは全く分かりません。
何か繁殖に必要なものなのでしょうか?
まとめ
・オスはヒラタやコクワに形状が似ている。
・第1内歯だけでなく、小さいが第2内歯、第3内歯が見られる。
・上翅が少し赤みがかっており、うっすらとスジが見られる。
・メスは上翅にはっきりとスジが現れる。
・ヒラタやコクワというよりはオオクワやスジクワに近い特徴を持っている。
・脚が直線上に伸びているため、ヒラタのメスという可能性は薄い?
・共通して腹部に毛が生えている。
何のために生えているのかは不明。
さいごに
いろいろと考察してきましたが、やっぱりこの2頭だけではまだまだ情報がたりませんのでとりあえず一度産卵セットを組んでみようとおもいます。
幸いにもこのクワガタはDorcus種。寿命は1年以上あると思われるので何度も産卵セットを組むことができるでしょう。
このペアは同種のクワガタなのか。
この種の大型個体は何mmあるのか。
大型個体がどんな姿をしているのか。
それを知るためにも産卵セットを組み、産卵する条件を見つけて幼虫を採ることがまず最初の目標ですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございましたm(_ _)m
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